シンガポールの地下鉄新線Thomson East Coast Lineの第2期区間が、8月下旬にオープンしたようです。
これまで、北部のWoodlands NorthからWoodlands Southの3駅のみ(第1期区間)で運行していましたが、今回はこの南側、Springleaf からCaldecottまで(第2期区間)が開業しました。
このMRT新線は、多くの方々にとってまだ馴染みがない路線かと思います。OrchardやNovenaより北側って、あまり訪れる機会がないですよね。
しかしながら、来年2022年には、Mount PleasantからGardens by the Bayまで(第3期区間)が開業し、TEL新線がようやくシンガポールの都心部まで繋がることになります。都心に新しい駅ができることで日々の暮らしも便利になりますし、駐在員のコンドミニアム選びにも影響が出てくるものと思います。
そこで、シンガポールCBD近郊において、Thomson East Coast Lineの新駅開業が街にどんな影響を与えるのか、注目ポイントを3箇所ほど紹介したいと思います。
TE14〔Orchard駅〕
まず1つ目の注目駅は、シンガポール随一の繁華街であるOrchardです。
TEL線Orchard駅は、有名な商業施設であるIONの裏手部分に建設されるようです。当然のことながら、既存のNorth-South Lineにも接続するものと思われます。表通りであるOrchard Roadの賑わいに比べて、Paterson Road側はこれまで人通りが少なく閑静なエリアでしたが、今後はもっと賑わいが出てくるのかもしれません。
ION直上のThe Orchard Residencesはもちろん、Paterson Road側に位置するコンドミニアム、例えばPaterson Residences、Paterson Suites、Fraser Residence Orchard Singaporeあたりは、間違いなく利便性が向上するものと思われます。
Google Mapの航空写真を見ると、新駅部分(Orchard MRT Station TE14)の南東側は、地上から開削して地下鉄函体を作っているようです。新線建設後にこの部分がどのように整備されるのか気になります。
もし公園のような形で整備され、歩行者が上部を通行できるのであれば、Grange Road側も利便性が良くなります。TEL線Orchard駅の開業により、River Valley側のコンドミニアム、例えばOUE Twin Peaksあたりも、アクセスが改善するのではないでしょうか。
TE15〔Great World駅〕
TEL線Great World駅は、商業施設Great World City西側の地下に建設されています。
これまで鉄道アクセスのなかったGreat World City周辺からRobertson Quayにかけての一帯は、今回のTEL線開業により飛躍的に利便性が改善し、最も恩恵を受けるエリアになると私は思っています。
The Cosmopolitan、The Trilliumなど新駅付近のコンドミニアムの利便性が向上するのはもちろんのこと、他エリアからGreat World Cityに買い物に来たり、Robertson Quayの川沿いに散策にやってくることを考えても、このTEL線Great World駅の開業は、このエリアに大きな変化をもたらすものと思われます。
私は今度シンガポールに居住することがあれば、この辺りに住んでみたいと思っています。
TE19〔Shenton Way駅〕
3つ目の注目ポイント、TEL線Shenton Way駅は、Tanjong Pagarから北東方面に10分ほど歩いたところに位置しています。
みずほ銀行や三井物産が入居しているAsia Square Tower2の南側、UICビルディングの東側に建設現場が確認できます。主要道路からやや奥まったところに新駅が建設されていますが、おそらくAsia SquareやDowntown駅側と、Shenton Way側の両方に徒歩でアクセスできるように、地上部分が整備されるものと思われます。
このあたりはオフィス街ですが、Tanjong PagarとRuffles Placeの中間地点であり、現状ではどちらから歩いても少し時間がかかるところ、MRT新駅の開業により大きく利便性が向上するのではないでしょうか。
既存のコンドミニアムでは、高級物件のMarina One ResidenceやV-On Shenton、Shenton Way上部にブリッジで繋がるOUE Downtown 2あたりのアクセスが改善されます。
航空写真で見ると、周辺には大規模な未利用地も多く、今後はオフィスやレジデンスなどの開発が期待されます。このエリアに不足している飲食店やスーパーマーケットなど小売店が増えて、クオリティも充実するようになると、Shenton Way周辺の魅力が高まってくるように思います。
まとめ
街の中心部に新しい地下鉄ができるのは、とても面白いですね。
東京都心でも、近年開業した虎ノ門ヒルズ駅や高輪ゲートウェイ駅など幾つかの新駅開業が話題を呼びましたが、大都市の真ん中に新線が開業する機会はめったにないことだと思います。
コロナ後の生活様式がどうなるか未だ見通せない状況ですが、新駅の開業は人の流れを呼び、街を元気にしてくれるものと思います。来年2022年には新しい景色が開けることを祈りながら、TEL新線の第3期区間の開業を心待ちにしています。
コメントを残す