シンガポール駐在中に証券口座を開設し、初めて投資したのは、STI ETFというインデックスETFでした。
Straits Times指数とは、シンガポール証券取引所に上場する時価総額上位30銘柄を対象にしたもので、シンガポールの株式市場における代表的な指数です。日経新聞の記事にも時々出てきますね。
STI ETFは、この指数に連動するように設定されているETFですので、私を含めて、シンガポール株式投資の初心者に最もおすすめなETFと言えるのではないでしょうか。
ただ、採用銘柄はやや金融セクターに偏っており、金融銘柄のみで全体の約65%、主要3銀行(DBS、OCBC、UOB)のみで40%超となっています。
さて、ST指数について、コロナ禍の影響を色濃く受けた、ここ1年あまりの値動きを概観してみます。
シンガポールで初の感染者が報告されたのは1月下旬でした。その後、2月、3月にかけて感染者数は日ごとに増加し、入国制限や国内規制が導入されるなど、事態は悪化していきます。
ついに4月上旬に、ロックダウンに近い措置であるCurcuit Breakerが発動され、経済活動は大きく制限されました。この間、コロナ前の1月下旬を基準とすると、コロナ後の底値を付けた3月中旬までに株価は25%程度下落しています。
その後、政府により強制力ある感染対策と財政支援が実施されたものの、外国人労働者が居住するWorkers Dormitoryで高水準の感染が続くなど、事態はなかなか好転せず、やや盛り返していた株価も6月初旬頃から再び下降トレンドに入ります。
ようやく市中での感染が落ち着き、生活に安心感が出てきたのは8月頃でしょうか。
株価も10月下旬頃から本格的な回復基調となり、直近の2021年3月下旬頃には、概ねコロナ前の水準に近づきつつあります。
結局、シンガポールにおける2020年の経済成長率はマイナス5.4%に落ち着きましたが、回復局面となる今年2021年はプラス4~6%程度と想定されています。
コロナ対策に目を向ければ、既に高齢者から順番にワクチン接種が始まっており、今年7~9月頃には全員が接種可能とのこと、経済の正常化もスピードが早まってくるものと思われます。
気前の良いシンガポリアン達に、駐在中とてもお世話になった私としては、彼の地での景気回復を祈りながら、また東南アジア地域のさらなる発展が、Hub都市シンガポールの株式市場に好影響を与えることを願いながら、このインデックス銘柄を引き続き保有することにしたいと思っています。
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