シンガポール赴任中に始めた株式投資、2つ目の銘柄は、ナショナルフラッグキャリアのシンガポール航空です。
東南アジア方面への出張や観光でご利用になった方も多いかと思います。機体や機内のデザイン、客室乗務員の制服も洗練された印象で、なんとなくエレガントな香りがしますよね。
私は、駐在時にスターアライアンスのステイタスを獲得すべく、出張にはANAかシンガポール航空を利用していました。
ご存知のとおり、コロナ禍によりシンガポール航空も大きな打撃を受けています。
Cuicuit Breaker発令中のチャンギ空港に何度か足を運びましたが、閑散とした殺風景の空港施設、駐機場に並んで羽を休めるSIAの飛行機を見ると、とても寂しく感じたものでした。
日本でも、ANAなど航空会社の苦境が伝えられていますが、シンガポールには国内線がないことを考慮すると、SIAが置かれた状況はさらに苦しいと言わざるをえません。
SIAが公開しているFinancial Resultsより、2020年度Q3決算(4~12月の9ヶ月間)を見ると、売上高は前年比マイナス79%、営業利益は約2,200Mシンガポールドルの赤字となっています。(1S$=80円換算で約1,760億円)
旅客需要だけを見ると、前年比マイナス95%とさらに低迷を極めており、当期売上の大部分は旅客サービス以外の、荷物輸送や関連サービスによる収入のようです。
残念ながら、この状況は入国規制が大幅に緩和されるまで、しばらく続くものと思います。
すでに、日本を含む幾つかの国々とは、Business Truckなどの入国措置が講じられ、PCR陰性証明や行動計画書の事前提出などを条件として入国が認められていますが、まだ気軽に利用できる制度とは言い難いです。
さて株価の推移ですが、コロナ前の1月末を基準とすると、コロナ禍に突入して5月頃に最初の底値を付け、この間の下落幅は約57%に達しています。
その後も株価は一進一退の動きをしており、ようやく最近の2021年2月頃になって回復基調に入ったように見えます。直近の2021年3月中旬で、コロナ禍による下落幅のうち、概ね4割くらい値を戻しています。
先日の報道では、香港との間で、隔離なしで往来できるAir Travel Bubbleが近く再開されるとの観測もあり、少し明るい材料も出てきているように思います。
星国内でワクチン接種が進む今夏あたりからは、少し違った景色が見えてくるのではないでしょうか。
その頃には、アフターコロナのビジネス需要・観光需要がどの程度に落ち着くのか、世の中の恒常的な変化の度合いが現れてくるように思います。
この趨勢は、SIAのみでなく、東南アジアのハブ国家シンガポールの将来に大きな影響を与えることになるかもしれません。
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